病気がわかった時の気持ち

産後初めて顔を見た時、口唇口蓋裂という病名があることすら知らずにいた私は、この子生まれたばかりなのに舌を上唇にくっつけてるんだ器用だなくらいに思いました。その後、先生が「手術したら治りますからね」とおっしゃったので、異常があったんだとそこで気づいたくらいです。

それからは、気持ちが本当に落ち着かなくて、手術はいつ出来るのか?最初の手術が3ヶ月って遅過ぎないか?等考えていました。心臓にも穴があったのですが、そのことよりも口唇口蓋裂の方が気になってしまっていました。当時の私は人目を気にしていたからです。

この出産はなかったことにしたい、産み直したいということも思っていました。よくテレビなどで生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて可愛いと言ってるお母さんの様子を見ますが、手術室ということや、病気のことでびっくりしたからか、そんな感動的なシーンではありませんでした。

口唇口蓋裂でなければ、出産直後から可愛いと思えたのかどうかはわかりませんが、自分の部屋からNICUに面会に行くのは産んだ責任からということでしかなかったかもしれません。もちろん、妊娠中から異常を指摘されていて生まれたとしても生きられるかわからないということで動揺しながらも大事な存在として感じてはいましたが。

毎日NICUに様子を見に行って、情が湧き始め、3ヶ月後の口唇裂の手術の前日に「あれ?かわいい顔してるやん。この口も名残惜しいな。」と初めて思えました。